もはや適切に行動するつもりはないと伝えることが、最も適切な行動であることも、時にはある。米連邦準備制度理事会(FRB)が30日、今年3回目となる25ベーシスポイント(bp)の利下げを発表した際の行動も同様だった。今回の連邦公開市場委員会(FOMC)で最も重要な意味を持つのは、FRBが使わなかった言葉だ。それは「景気拡大を維持するため、適切に行動する(act as appropriate)」というもの。この文言は、これまで3回のFOMC終了後の声明で使われたが、今回は入らなかった。その代わりに、FRBは「フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジの適切な方向性を見極めながら、景気見通しに関する情報が意味するものを引き続き注視する」という表現が盛り込まれた。