かつてスバルとスズキはGMグループ、マツダはフォード・グループだった。この過去を振り返ると、日系3社を支えてきた米メーカーからトヨタへと盟主が代わり、しかもトヨタは“支配する”のではなくオールジャパンとしての結束を固める緩やかな資本提携に踏み切った。この提携が、海外資本による日本の自動車産業への侵食を食い止める防波堤を築いた、と解釈できるのではないか。

トヨタ、マツダ、スズキ、スバル
ビジネス面での協力に自己防衛の機能も

 すでに海外では自動車メーカーの合従連衡の動きが活発だ。たとえばダイムラーは1998年にクライスラーと合併したものの、2007年に提携解消した。現在、ダイムラーの筆頭株主は中国の吉利ホールディングス(9.7%)、第2位はクウェート投資庁(6.8%)、3番手はダイムラーの中国合弁相手、国営北京汽車(5%)だ。メルセデスの大株主にドイツ企業がいない。かつてはドイツ銀行が大株主だった。

 中国の2社がともに中国政府にダイムラー株を売却した場合、合計14.7%の出資比率になる。中国政府はすでにPSA(プジョー・シトロエン)に13.68%を出資し仏政府およびプジョー家と同率の筆頭株主だ。

 トヨタが嫌っているのは、こうしたかたちで株を支配されることではないか。マツダ、スズキ、スバルも同じ思いに違いない。互いにメリットを得られるビジネス面での協力に自己防衛の機能も持たせた資本提携といえるだろう。

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(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)