欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とプジョーを傘下に持つ仏自動車大手PSAグループは10月31日、合併計画を明らかにした。これにより500億ドル(約5兆4000億円)規模の自動車会社が誕生することになる。自動車メーカー同士の合併は不首尾に終わるケースも多く、正念場はここからだ。両社は規模拡大により、長年業界で低水準にある収益性を向上できることを期待している。自動車メーカーは事業に巨額を投じても、1台当たりの稼ぎはわずかにとどまることも多い。多くの企業が合併に活路を求め、失敗に終わっている。独ダイムラーによる米クライスラーの買収が好例だ。一方、近年の成功例には、2017年の仏プジューによる米ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州事業の取得やイタリアのフィアットによるクライスラーの買収がある。後者は2009年に手続きが開始され、完了までに数年かかった。