そんな理事会経験者だけでも、今回の調査サンプルは約半数を数える。彼らが選ぶ管理会社の順位は、1位:三井不動産レジデンシャルサービス、2位:野村不動産パートナーズ、3位:東京建物アメニティサポートとなった。

 これは管理戸数の多さに関係なく、フロントの質が高いことを示しており、どんな管理会社でも目指すことができる目標にしやすい重点事項である。管理戸数は短期的に増やせないので、小回りが利く良質な管理会社の目安にはなるであろう。中堅の管理会社では、こうした担当者の教育がより一層重要になってくるし、それを見極める入居者の判断も、今後は一層厳しいものになっていくと思われる。

住友撤退のショック
これからはコストが課題

 昨年の3位は住友不動産建物サービスだったが、足もとでは管理業務の解約を進めており、5位に後退している。理事経験者の評価が高く、玄人受けしている会社だっただけに惜しい気がする。

 撤退のように報道される向きもあるが、実態は自社ブランド以外の不採算物件の解約を進めているそうだ。この背景には、管理会社のリプレイスの横行により、管理事業が儲からなくなっている背景がある。それに拍車をかけるように人の採用も厳しくなっており、人件費の高騰もある。

 そうしたなか今回のアンケートでは、3年連続で、管理費を現状維持できるならAI・ロボットに任せてもよいか、それともコストが上がっても人間に対応してもらいたいかという質問をしている。結果は、回を追うごとにAI・ロボットの比率が上がっている。清掃、受付、報告業務に関しては以前からAI・ロボットのニーズが高いが、今回は相談業務の割合も大きく増えている。

 また同様に、管理費を現状維持できるなら外国人を活用したいか、管理費が高くなっても日本人を使いたいか、という質問に対しても、清掃、受付業務において外国人を許容する割合が増えている。今後はこれらを踏まえて、マンション管理の現実的な落としどころを模索することになるだろう。マンション管理にもAI化・グローバル化の流れが起きているのである。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)