石油・ガス企業をサステナブル(持続可能)あるいはエシカル(倫理的)な投資対象とみなすことはできるのか? 新規株式公開(IPO)を計画するサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの場合、最近増えている環境・社会・ガバナンス(ESG)重視の投資家にとって、炭素排出量に関する明白な疑問は主要な問題でさえないかもしれない。アラムコは世界の原油の8分の1を供給し、その傍らでガスや化学薬品、その他の石油製品も手がける。こうした炭素排出量の多い製品は、まさにパリ協定の一環で世界の国々(米国を除く)が削減を目指す対象だ。バーンスタインの推定によると、アラムコは昨年、同社製品の抽出・精製・販売を通じて1億2800万トンの二酸化炭素を作り出した。これはロシア天然ガス大手ガスプロム、中国石油化工(シノペック)に次ぐ世界3位の多さだ。