マーク・エスパー米国防長官は、今週バンコクで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)の拡大国防相会議で、アジアの同盟諸国に対し、中国の攻撃的姿勢に共同で対抗すべきだと訴えた。だが、反応は冷淡だった。これはトランプ政権のアジア政策がトラブルに直面している可能性を示す新たな兆候だ。エスパー氏は会議の冒頭で、タイ、日本、韓国の国防担当相らを前に、最近の中国の行動に対する強い警戒感を表明した。エスパー氏は同盟諸国に対し「中国政府は、他国を犠牲にして自らの目的を達成するため、強制的、威嚇的措置に訴える傾向を強めている」と語った。その後発言した他国の国防相の中には、エスパー氏の発言に同様のトーンで応じる者は1人もいなかった。これは、米国が提示した手法に疑念を抱いている可能性を示唆する。