欧州と中東の規制当局は米ボーイングの次世代航空機について、独自の認証審査を実施する。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。従来の対応法を変更し、同社の小型旅客機「737 MAX(マックス) 」の危機的状況から得た教訓を生かすとしている。こうした異例の動きは、3月の737MAX運航停止によって、ボーイングや米連邦航空局(FAA)に対する国際社会の信認が低下したことを物語っている。さらに、新型ジェット機の設計承認を巡り、長年かけて構築された国際協力の原則が大きく揺らいでいる様子も改めて浮き彫りにしている。従来は、米国製の航空機に下りた安全認証に対し、欧州や中東の当局が現在描いているほど厳しい視線が外国から向けられることはなかった。