静岡県富士宮市にある白糸の滝は、国の名勝および天然記念物に指定され、日本の滝百選・富士山の世界文化遺産の構成資産にも登録されています。細く白い絹糸を垂らしたような繊細な滝の形状は美しく、年間を通してたくさんの観光客が訪れます。

 岸壁の間から白い絹糸のように落ちる水は、そのほとんどが富士山の湧水です。富士山の雪解け水が、新しい地層である新富士の層に浸透し、水を通しにくい古富士地層の岸壁から湧き出ているのです。高さ20m、幅150mの弓状に湾曲した岸壁に数百もの滝が形成されています。湧水のため、年間通じて水温は12度、毎秒1.5トンもの水が流れ出ているとのことです。

 長い階段を降りると滝壺近くの展望スペースに行くことができ、滝のマイナスイオン満載の水しぶきを感じることができます。滝の右岸上部の階段を上がると展望台があり、ここは滝と富士山を1つのフレームに収めることができるオススメの撮影ポイントです。特に秋は、赤や黄色に色付いた美しい紅葉と富士山を一望することができます。

(撮影・文/クレセントエルデザイン)