米国はこの半世紀の間に、工業の超大国から誰もが認めるサービス経済の覇者へと変化した。2003年から2015年の間に医療や高等教育、ロイヤリティ、決済処理など米国のサービス部門の貿易黒字は約6倍の2633億ドル(約28兆円)に増えた。しかし、黒字は縮小している。今年1-9月のサービス輸出は辛うじてプラスを維持した一方、輸入は5.5%増えた。1-9月の黒字額は前年同期比10%減の1785億ドルで、通年では03年以来最大の落ち込みとなりそうだ。サービス輸出の軟化は部分的には、ドル高や世界経済減速など景気循環的な要因を反映しているとみられる。しかしエコノミストは、構造的要因などのその他の力も働いていると指摘する。