この死亡時の血中アルコール濃度は1.5mg/mL程度で、体格にもよるが純アルコール100g相当を飲酒した状態。ビール中瓶5本、もしくは日本酒5合ほども飲めば不慮の突然死リスクが確実に高まるわけだ。立つとふらつく、千鳥足になる、同じ話を何度もしゃべるなど酩酊初期~酩酊期に相当する状態であり、確かに風呂に入ろうなどと考えないほうが無難だろう。服を着たままでもいいから、コップ一杯の水を飲んで布団に潜り込もう。

 入浴中に意識を失い、そのまま溺死するというケースも少なくない。日本の古い家屋は脱衣所と浴室内の温度差が極端に大きい。寒いところからいきなり熱い湯に浸かると、体温を調節しようと手足の表面の血管が一気に広がり、低血圧が生じる。その結果、脈が遅くなり、脳に血液が回らなくなって失神してしまうのだ。血圧の乱高下で不整脈が生じることもある。心臓に病気を持っている人はもちろん、高血圧の治療で降圧剤を飲んでいる人や糖尿病や高コレステロール血症で動脈硬化が進んでいる人は要注意だ。

浴室との寒暖差をなくす
事故を防ぐポイントは?

「入浴の事故を防ぐための注意ポイント」は次の通りである。

1.入浴前に脱衣所や浴室を暖める
 一番簡単なのは服を脱ぐ前に浴槽の蓋(ふた)を外し、蒸気を行き渡らせることだ。すのこや浴室用のマットも足元の冷えを防いでくれる。また、浴室暖房がある家はケチらずに使おう。

2.湯の温度は41℃以下で、湯につかる時間は10分まで
 浴槽に入る前にかけ湯(シャワーでもいい)をして、身体を温度変化に慣らすこと。また、首までお湯に浸かると心臓に負担をかける。「浸かるなら胸のラインまで」を意識しよう。