法人税を巡る国際的な摩擦が激しさを増し、フランスの高級品メーカーが巻き添えになっている。ドナルド・トランプ米大統領は2日、シャンパンやハンドバッグ、化粧品など24億ドル(約2600億円)相当のフランス製品の輸入に対し、早ければ1月中旬にも100%の関税を発動する構えを示した。フランス政府がデジタル収入に対する3%の課税を導入したことを受け、ホワイトハウスが報復に乗り出した格好だ。米通商代表部(USTR)はフランスの「デジタル課税」について、「異例の負担」であり、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムをはじめとする米企業への差別的措置だと指摘した。フランスのデジタル課税は、IT(情報技術)大手の租税回避とみられる行動に対する欧州当局の締め付けの一環だ。こうしたIT大手の多くは米国を拠点としている。仏政府は7月、米政府への圧力を高める狙いで新課税の法案を可決した。経済協力開発機構(OECD)は7年もの年月を掛けてようやく「デジタル経済に関するタスクフォース」を再開したが、ホワイトハウスが2017年の米税制改革後に取り組みを支援し始めたことが背景にあった。その見返りとして、エマニュエル・マクロン仏大統領は8月、OECDで合意がまとまればデジタル課税を撤廃するとトランプ氏に請け合った。
米欧摩擦の舞台は税金に、仏高級ブランド巻き添え
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