野村ホールディンクズPhoto:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 野村ホールディングスは過去10年、世界的な巨大投資銀行への転身を目指したが、その取り組みは失敗に終わった。次期トップも、前任が直面したのと同じ課題と格闘することになるだろう。

 野村は2日、奥田健太郎グループ共同最高執行責任者(COO)が来年4月、次期最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。現CEOの永井浩二氏は会長に退く。永井氏は6月の株主総会で、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)による反対を受けたが、辛うじて取締役に再選されていた。

 野村は2008年に経営破たんした米リーマン・ブラザーズのアジア・欧州部門を取得して以降、常に自己改革を図ってきた。リーマン事業の取得により、野村は破格の値段で大規模な債券、株式トレーディング部門を手に入れたが、これは同時に厄介な問題ももたらした。米ウォール街の自由気ままなトレーディングデスクの文化は、伝統的な日本の銀行とはあまり馬が合わなかったのだ。