ドナルド・トランプ氏は2016年米大統領選に名乗りをあげたとき、共和党のエスタブリッシュメント層を公然と批判し、まるで独立系候補のように振る舞い、共和党内の支持をほとんど得られなかった。しかし、米下院本会議で18日に弾劾訴追決議案の採決が行われる際、トランプ大統領は同じ共和党から全面的な支持を得る可能性が大きい。トランプ氏は生き残るため、こうした支持に依存することになる。この状況は、現代の米国政治の著しい変容を示している。今回の弾劾は多くの点で記憶に残るだろうが、その中で最も重要なことの1つは、これによって米国政治の「部族化」が完成されるかもしれないということだ。ある意味、弾劾に向けた政治の動きは、2つの主要政党のイデオロギー的、地理的、社会経済的な選別過程による当然の結果だと言える。共和党議員らは現在、保守色がより明確な地域を代表する傾向を示している。こうした地域は都市部以外にあり、伝統的な文化規範が支配的な場所だ。一方、民主党議員は、リベラル色がより明確な地域を代表している。多様性と変化に富んだ文化的価値に特徴付けられた、沿岸部の都市に偏在する地域だ。
米政治の「部族化」、弾劾過程でほぼ完成
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