2010年代初頭にタイムトラベルするのは可能で、しかも簡単だ。地下室でほこりをかぶった電子機器をいくつか引っ張り出してくればいい。まずはガーミンの衛星利用測位システム(GPS)端末でPOI(ポイント・オブ・インタレスト=あらかじめ登録した興味のある施設)を探すことからお勧めする。今はもう興味を失っている場所ばかりだろう。次はコンパクトカメラで写真を撮り、それをシェアしてみよう。果たして700回以下の手順でできるだろうか。だが10年前に発売された携帯電話「ブラックベリー」ほど昔を思い出させてくれるものはない。自撮りが必要なときは、電話を裏に向けて手を前に伸ばし、顔がちゃんと写ることを祈りながら撮影するしかない。ウーバーが必要? 2010年当時、ウーバーと言えば3つ星のドイツレストランのことだった。ネットフリックスで映画やドラマを見たければ、DVDが郵送されてくるのを待つしかなかった。