2019年の米株の急上昇局面では、株価の伸びが企業利益の伸びを上回ったが、新年の幕開けを控え、投資家の熱狂に懸念を抱く株式ポートフォリオマネジャーはほとんどいない。今年のS&P500種株価指数の上昇率は29%に達しており、2013年以来最高となるペースだ。このうち企業利益の伸びの寄与分が控えめな0.4%にすぎないことが、今年の株価上昇を際立たせる一因になっている。企業利益の伸びは、通常は株価の継続的上昇を支える最も重要な要因になる。このため、企業利益がさほど伸びていないのに主要株価指数が記録的水準に達する状況は、2000年のドットコムバブル崩壊の際に見られたような過熱リスク懸念を高めることが多い。