中国の高級白酒(蒸留酒)メーカーの貴州茅台酒は、約80億ドル(約8760億円)相当の株式を地方政府の傘下企業に譲渡すると明らかにした。重債務に苦しむ貴州省の財政支援につながるとみられている。茅台酒の株価はここ1年で2倍近くまで上昇し、時価総額は2000億ドルを上回る。主力の白酒の販売が大きく伸びており、上海証券取引所に上場する同社株には国内外から買いが集まっている。同社が本社を置く貴州省は財政難が続いている。中国国有の中国銀行によると、同省内の総生産(GDP)に対する債務残高比率は2018年に約73%と、省別で最も高かった。茅台酒の株式約62%は、地方政府資産管理当局の系列企業が保有する。茅台酒の親会社は、これとは別の貴州省政府の完全子会社に茅台酒の株式4%を移管するよう命じられた。上海証券取引所への提出文書で明らかになった。