今年の米経済が順風満帆だったとしても、株価に織り込まれた高い期待を満たすには不十分かもしれない。大半のエコノミストは2020年の米経済動向について、非常に素晴らしいとは予想していない。貿易を巡る懸念は弱まると見込みながら、米経済の成長力は限定的だとも考えている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト調査によると、20年10-12月期(第4四半期)の国内総生産(GDP)は前年同期比1.8%増の見通し。これに対し、19年の成長率は推定2.2%だった。米経済は大半の予想より好調に推移するかもしれない。それが考えられるのは、例えば米国が中国と包括的な貿易協定を締結した場合。あるいは、企業景況感が急上昇して設備投資を押し上げた時だ。バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチのエコノミストらはそうした可能性を踏まえ、GDP成長率が自らの予想の1.7%にとどまらず2.5%近辺に達し得るとみている。2020年の世界GDP成長率については3.2%と予想しているが、このバラ色のシナリオでは上振れするだろう。
2020年米株への大いなる期待、砕け散るか
アナリストの企業利益予想は割高な株価を正当化するほど高くない
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