百々 寺田さんのように、大学受験で世界史を選択した人も、哲学と宗教はきちんと体系立って学んできていませんよね。
――そうなんです。
百々 となったときに、外国人と仕事ができるんですか? 最前線のビジネスパーソンはそう思うでしょう。大人になっても哲学と宗教を知らない。そんなコンプレックスってないですか。
――ありますよ。
百々 あるでしょう。誰にもあるんですよ。
圧倒的多数の人が飢えているゾーンだと思います。
――飢えている?
百々 飢えてないですか。
――飢えています!
百々 学校の先生から教わったことしかやっていないことへの罪悪感や恥ずかしさのようなものはないですか。
――あります。
百々 あるでしょう。自分は専攻しなかったのでわからない。だったら一生知らなくていいの? そんなはずはない。それが降り積もってきているのが、今の状況です。
日本人の哲学・宗教に関するコンプレックスは最高潮に達していると思います。
――日本人のコンプレックスをついた一冊なんですね。
百々 そうです。
――それは2019年4〜5月に、初めてこの本のゲラを読まれたときに感じたのでしょうか?