ドイツの老人
ドイツでは、病院で死にたくないという人が84%もいるといいます(写真はイメージです) Photo:picture alliance/gettyimages

「在宅死」先進国・ドイツの
ソーシャルステーションを訪問

 ドイツでは、終末期に向き合う緩和ケアの仕組みが確立している。その担い手である医療・介護チームからケルンで実情を聞いた。

 日本では、やっと厚労省がACP(アドバーンス・ケアプラン、愛称:人生会議)の考え方を打ち出し、死をあらかじめ考えておこうという雰囲気作りが始まった。ケルンにはドイツで初めて緩和ケア病棟を造ったケルン大学病院があり、緩和ケアの歴史では名高い地域である。

 訪ねたのは、「カリタス・ゾチアルスタシオン(ソーシャルステーション)・コアバイラ」である。カリタスは、カトリック系の医療や福祉事業を幅広く手掛けている全国団体である。プロテスタント系のディアコニーと並ぶ2大大手事業者だ。

 ケルンだけでも、ナーシングホームや入所型ホスピス、訪問看護・介護のほか障害者分野など全部で80の事業所を運営、1700人もの職員を抱えている。

 ソーシャルステーションは、看護や身体介護、認知症ケア、家事支援、介護家族への助言などの在宅サービスを提供する事業所である。看護師と介護職を中心にリハビリ職などさまざまな在宅サービスを手掛ける専門職で構成されている。かなり前からドイツ全土で展開されている在宅ケアの拠点といっていいだろう。

 日本でいうと、訪問介護事業所と訪問看護ステーションを一体化させたようなものだ。ただし、ケアマネジャーはドイツの介護保険制度にはないので、その指示の下で動かねばならないことはない。

 カリタスはケルン市内だけでも、8つのソーシャルステーションを運営しており、その職員数は250人にも上る。

 コアバイラとは、ケルンの地域名である。訪問したコアバイラ・ステーションでは30人の看護・介護などの職員が活動しているという。