東出昌大さんの不倫騒動へのバッシングが止まらない。不倫の内容がひどいから、という理由だけで、この現象は説明できない。日本人が幼い頃から受けている、「自分勝手に振る舞うな」という洗脳に近い教育がベースにあるからだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)
東出さん不倫を徹底的に叩く
日本人の心理とは?
そこまで奥さんがかわいそうだというのなら、もうそっとしておいてあげればいいのではないか。
発覚からずいぶんたったのに、いまだに大炎上中の俳優・東出昌大さんの不倫騒動。奥様である女優の杏さんや子どもたちが平穏な日々を取り戻すためにも、さっさと沈静化してもらいたいところだが、メディアではしつこく東出さんと、お相手の女優を断罪している。
なぜ“被害者”である杏さんたちのダメージを考慮せず、このようなメディアスクラムが過熱してしまうのかというと、シンプルに「数字」が取れるからだ。
東出さんや唐田えりかさんがいかにロクでもない人間かと、叩けば叩くほど視聴率やアクセスが上がる。再生回数欲しさに、どんどん過激な動画をつくっていくユーチューバーを想像していただければわかりやすい。
では、どうして日本人はそんなに東出さんと唐田さんの「公開処刑」を見たがるのか。不倫カップルがスカッと成敗された、みたいな勧善懲悪劇を見ると胸がスッキリして明日も仕事を頑張ろうという気持ちになる、という方も多いかもしれないが、テレビに出ている専門家の方によれば、今回の炎上は以下の3つがポイントだという。
・「イクメン」「おしどり夫婦」で売っていたので、「裏切られた」と感じた
・妊娠中の不倫、しかも3年も継続というゲスっぷりに世の女性の怒りが爆発
・お相手とされる若手女優のインスタグラムなどでの「匂わせ」がさらに燃料を投下した
言われてみれば、どれも納得である。ただ、「そもそも」というところで言わせていただくと、テレビで見かける程度で、会ったことも話したこともない他人の不倫にここまでブチギレできるのは、もっと別の根本的な理由があるのではないかと思っている。
それは、我々が幼い頃から叩き込まれている「自分勝手な振る舞いをする者は社会全体で制裁をしてもよろしい」という、「洗脳」にも近い国民教育だ。