総務省は同10月に「係争委の勧告は内容のすべてに従う必要はない」として、除外継続を決定。これを受けて泉佐野市は同11月、大阪高裁に提訴していた。

 地方自治法の規定で、係争委の勧告内容や国の再検討結果に関わる不服申し立ての第一審は高裁になるため、大阪高裁で審理されていた。

 判決を受け、泉佐野市の千代松大耕市長は大阪市内で記者会見し「とても残念な判決。市の主張が全く認められておらず、とうてい受け入れられない」として上告する方針を明らかにした。

 判決前から、総務省と泉佐野市の双方とも敗訴した場合は上告する方針を明らかにしており、訴訟の舞台は最高裁に移るのは既定路線だった。

財政破綻懸念で市長が着目

 そもそも「ふるさと納税」は、応援したい自治体を任意で選び、寄付を居住する自治体に申告することで、寄付した金額を控除できるという制度だ。都市部に偏りがちな財源を地方に振り分ける目的で08年に開始された。

 所得によって上限額は異なるが、上限額を超えなければ自己負担分の2000円を除いた額が住民税などから差し引かれる。「納税」と呼ばれるが、実態は寄付控除だ。

 趣旨の開始時は「ふるさとを応援する」というのが理念だった。しかし、返礼品を豪華にして寄付金を集めようという自治体が「三種の神器」と呼ばれるカニ、肉、米などを中心に据えるようになり、返礼品を巡る競争が激化していった。

 このため総務省は昨年6月、法改正で基準を守る自治体だけが参加できる新制度に移行した。

 実は、泉佐野市がこうした競争に突き進んだのには特殊な事情がある。

 同市は1994年の関西空港の開港に伴い都市整備事業の赤字が膨らみ、08年度には財政破綻が懸念される財政健全化団体に陥った。

 11年に初当選した千代松市長は、財源獲得の手段としてふるさと納税に着目。関空に拠点を置く格安航空会社(LCC)の航空券ポイントを返礼品の対象とした。