戸田一法
あまりにズサン…川崎ストーカー事件で20歳女性見殺しの神奈川県警を待ち受ける「最悪のシナリオ」
神奈川県川崎市で行方不明になっていた岡崎彩咲陽さん(20)が遺体で見つかった事件で、県警はストーカーの白井秀征容疑者(27)を死体遺棄容疑で逮捕した。岡崎さんの遺体は焼かれて一部白骨化し、白井容疑者の自宅で発見された。県警は当然に殺人容疑での再逮捕を見据えて捜査しているが、立件はそれほど簡単ではない。

「ジャンポケは起訴されたのに元SMAPはスルー?」中居氏の立件は十分可能と言えるワケ
元タレント中居正広氏の女性トラブルを巡り浮上したフジテレビの問題を調査した第三者委員会が報告書を公表し、人権意識の欠落とコンプライアンス上の深刻な欠陥を指弾した。その上で、女性は社歴の浅い元アナウンサーで「業務上の延長線上」で中居氏から性暴力を受けたと認定し、その結果、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと結論付けた。報告書で性暴力を行ったとされる中居氏が立件される可能性はあるのだろうか。

巧妙化する「闇バイト」に大打撃か?警察が来年から始める「新たな取り組み」とは?
ことし国内で最も注目された事件といえば、夏以降に首都圏で連続して起きた一般住宅を狙った強盗事件だろう。関連したキーワード「トクリュウ」「ホワイト案件」も「2024年新語・流行語大賞」の候補になった(闇バイトは昨年ノミネート)。警察庁は10月、闇バイトに応募した人に対し、犯罪に加担せず、警察に相談するよう呼びかける動画を公開。それ以降、11月末までに全国で125件の連絡を受け保護した。来年早々には捜査員が架空の身分証を使った「仮装身分捜査」を導入し、闇バイトの撲滅を図る方針だ。

「紀州のドン・ファン事件」あす判決、浮上する「元妻の無罪」の可能性
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家を殺害したとして、殺人罪と覚醒剤取締法違反罪に問われた元妻の須藤早貴被告(28)の判決公判が12日、和歌山地裁で開かれる。決定打となる証拠がない中、検察側は先月18日、無期懲役を求刑。須藤被告は最終意見陳述で「ちゃんと証拠を見て判断してほしい」と裁判員らに呼びかけ、無罪を主張した。

時速194キロ死亡事故で「危険運転」認定が画期的なワケ、被害者の泣き寝入りはいつまで続くのか
時速200キロ近いスピードで起こした死亡事故は危険運転か過失か――。世間一般の方に問えば結論は言うまでもないが、危険運転を認めたこの判決が画期的と感じられるのは、これまで司法がいかに社会の常識と乖離(かいり)していたかを示しているだろう。大分地裁は28日、大分市の一般道を時速194キロで運転し、衝突した乗用車の男性を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反罪(危険運転致死)に問われた元少年(23)に懲役8年(検察側求刑・同12年)を言い渡した。

窓ガラスを割り、ハンマーで殴る…首都圏で「荒っぽい強盗事件」が多発する深刻なワケ
首都圏で一般住宅を狙った強盗事件が相次いでいる事を受け、警視庁とさいたま、千葉、神奈川の各県警は合同捜査本部を設置し、8月以降に発生した計14事件を重点的に捜査する方針を固めた。これまで逮捕された実行役はいずれもSNSに投稿された「荷物の運搬」「ホワイト案件」「日給5万円」などのうたい文句に誘われ、指示役に秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で運転免許証などの写真を送信。「逃げても捜し出す」「家族を殺す」などと脅され、がんじがらめにされていた。

「これ、絶対ワンクリック詐欺だよな…」怪しすぎる英文メールを放置したら起きた“斜め上”の悲劇
7月12日、筆者に英文のメールが届いた。シンプルに和訳すると「あなたのアカウントを登録しました。5日間のお試し期間を設けます。そのままなら自動的にプレミアム会員に移行します」との内容だった。「新手のワンクリック詐欺かな。英語とはまた、手が込んでいるな」と思ってそのまま放置していたら、本当にクレジット会社から8828円利用請求されて驚いた。いったい何が起こったのか、調べてみたところ……。

堀江貴文氏や池上彰氏も怒り「なりすまし投資詐欺」に後手後手の政府、EUよりヌルい法規制の中身とは?
総務省の有識者委員会は16日、インターネットの偽情報に対する法的な整備に向けた素案をまとめた。最近、著名人などになりすました投資詐欺被害が急増しているため、ネット広告の事前審査を厳格化し、削除の方法なども定めている。投資詐欺を巡っては政府が6月、犯罪対策閣僚会議で総合対策を決定したが、交流サイト(SNS)運営者の自主的な対応に委ねる内容にとどまり、実効性が疑問視されていた。このため総務省が法的な制度作りの準備を進め、早ければ来年の通常国会でプロバイダー責任制限法改正を目指す。

裁判員制度15年で初の「逆転死刑」か、3人中毒死の「点滴殺人事件」高裁判決が注目されるワケ
横浜市の旧大口病院(現横浜はじめ病院、休診中)で2016年、入院患者3人の点滴バッグに消毒液を注入して中毒死させたとして、3件の殺人罪と5件の殺人予備罪に問われ、一審横浜地裁で無期懲役の判決を受けた元看護師久保木愛弓被告(37)の控訴審判決が19日、東京高裁で言い渡される。2009年の裁判員制度の導入から一審の死刑判決が破棄されたケースは8例あるが、逆に一審の無期懲役の判決が覆り死刑判決が言い渡された例はない。今回、死刑判決が出れば初のケースとなる。

「頂き女子りりちゃん」懲役10年前後か…出所後も「3億円」近い納税義務が残る可能性
昨年の新語・流行語大賞の候補にもなった「頂き女子りりちゃん」を名乗って恋愛詐欺のマニュアルを販売し、自らも男性の好意につけ込んで現金をだまし取ったとして詐欺幇(ほう)助と詐欺罪に問われた渡辺真衣被告(25)の判決が22日、名古屋地裁で言い渡される。3月15日の公判で、検察側は懲役13年、罰金1200万円を求刑していた。

綾野剛「精神が崩壊」「存在自体が恐怖」ガーシー被告裁判で明日判決、求刑4年で“実刑”が濃厚なワケ
俳優の綾野剛さんら3人をインターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で脅迫したなどとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉毀損(きそん)、強要、威力業務妨害、証人威迫の罪に問われた元参院議員ガーシー(本名・東谷義和)被告(52)の判決が14日、東京地裁(佐伯恒治裁判長)で言い渡される。2月8日の公判で検察側は「社会問題化するインターネットの誹謗(ひぼう)中傷を象徴する事件で極めて悪質」と厳しく指弾し、懲役4年を求刑。弁護側は「反省して被害回復の措置を講じている」などと訴え、執行猶予を求めていた。

「闇の人物への反撃」から一転「自信がなくなった」京アニ事件25日判決、青葉被告の妄想癖と逆恨み
36人が死亡し、32人が重軽傷を負った京都アニメーション放火殺人事件で殺人と殺人未遂、現住建造物等放火、建造物侵入、銃刀法違反の5つの罪に問われた青葉真司被告(45)の判決公判が1月25日午前10時半、京都地裁で開かれる。最大の争点は刑事責任能力の有無や程度。弁護側は最終弁論で「妄想性障害の影響で心神喪失か耗弱だった」として無罪か刑の減軽を求め、検察側は論告で「妄想の影響は限定的。犯行は計画的で残虐非道」として死刑を求刑していた。公判で青葉被告は動機を「小説のアイデアを盗まれたから」と繰り返し主張、反省の態度もほとんど見せず遺族の心情を逆なでし続けた。

JAL機炎上事故、刑事責任を問うのか?航空機事故で「有罪」が少ないワケ
故郷で年末年始を過ごした帰省客や行楽地から帰る旅行客でほぼ満席だった日本航空の旅客機と、能登半島地震で救援物資を搬送する予定だった海上保安庁の航空機が2日、羽田空港で衝突した。テレビのライブ映像に映し出された焼け落ちる日航機。一方で乗員乗客379人は全員脱出との情報に安堵(あんど)した読者も多かったと思うが、残念ながら海保職員5人は命を落とした。警視庁は東京空港署に捜査本部を設置。運輸安全委員会は航空事故調査官6人を派遣し、事故の原因究明に着手した。

「私人逮捕系YouTuber」逮捕相次ぐ…カネ目当てのゴロツキに“正義”を語る資格はない!
調子に乗りすぎたというべきか。「私人逮捕」「世直し」をうたうYouTuberが相次いで警視庁に逮捕された。1件は「煉獄コロアキ」を名乗り、もう1件はYouTubeチャンネル「ガッツch」を運営。いずれも痴漢や盗撮、転売ヤーを取り押さえる様子などを動画投稿サイトにアップしており、ユーザーから「応援しています」「頑張って」などと支持する投稿もみられた。しかし、自らの犯罪行為を「動画」という証拠として残した結果、自分が逮捕されるというお粗末さだった。

「市川猿之助被告の裁判」あす判決、執行猶予が“既定路線”だったワケ
両親に対する自殺幇(ほう)助の罪に問われた歌舞伎俳優市川猿之助(本名・喜熨斗=きのし=孝彦)被告(47)の判決公判が11月17日、東京地裁で開かれる。10月20日の初公判で猿之助被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、検察側は「両親の自殺に寄与した度合いは極めて大きい」などと指摘し懲役3年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め即日結審していた。司法担当記者の間では初公判の期日が決まり、執行猶予の線で固まったとみる向きは多かった。

自転車「酒気帯び・スマホながら」運転に罰則検討、反則金納付を命じる“青切符”も視野
警察庁は来年の通常国会に向け、自転車の酒気帯び運転や走行中にスマートフォンを操作する「ながら運転」に対する罰則や、悪質な交通違反に青切符(交通反則切符)の交付を可能にする道路交通法改正案提出の検討を始めた。現行法では酒酔いに罰則はあるが、酒気帯びにはない。ながら運転では死亡事故も起きており、重大事故につながる危険な運転を抑止するのが狙いだ。

京アニ事件初公判「無敵の人」青葉被告は何を語るのか?波乱含みの裁判の行方
京都アニメーションのスタジオにガソリンをまいて放火し、36人を殺害、32人を負傷させたとして殺人と殺人未遂、現住建造物等放火、建造物侵入、銃刀法違反の罪で起訴された青葉真司被告(45)の初公判が9月5日、京都地裁で開かれる。犯罪史上、まれに見る数の犠牲者を出した事件は発生から約4年2カ月が経過。公判は計25回という裁判員裁判としては異例の回数が組まれたが、青葉被告が何を語るのか注目される。

安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中、銃撃された事件は8日で1年。安倍元首相を殺害したとして起訴された山上徹也被告(42)の初公判は年明けになる見通しで、恨みを募らせたと供述している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求の可否がどうなるのかも不透明なまま。この間、岸田文雄首相が遊説先の和歌山市で爆発物を投げ込まれるなど、要人警備の難しさも明らかになった。

東京都目黒区の自宅で母親の自殺を手助けしたとして、警視庁捜査1課は6月27日、自殺幇(ほう)助の疑いで、歌舞伎役者・市川猿之助(本名・喜熨斗孝彦=きのし・たかひこ)容疑者(47)を逮捕した。喜熨斗容疑者は一家心中を図ろうとした疑いがあり、警視庁は今後、父親の死亡にも関与したとみて引き続き調べる。

長野県中野市で5月25日、市議会議長の長男、青木政憲容疑者(31)=殺人容疑で逮捕・送検=が警察官2人を含む4人を殺害、猟銃を持って約12時間にわたり自宅に立てこもる事件が発生した。散歩していた女性2人は刃物で刺され死亡。警察官2人は「男が女性を刺した」との110番を受けて急行し、応戦する間もなく被弾したとみられる。殉職した警察官2人はなぜ拳銃を抜かなかったのか。
