大阪府泉佐野市のふるさと納税特設サイト画像は大阪府泉佐野市のふるさと納税特設サイトより。現在アクセスが集中し、つながりにくい状態になっている

 大阪府泉佐野市が、「ふるさと納税」の寄付をすると返礼品に加えて、Amazonギフト券を総額100億円プレゼントするというキャンペーンを展開している(泉佐野市ホームページ参照)。これに対して、石田真敏総務相は「身勝手な考えだ」と切り捨て、「制度の隙間を狙って、趣旨に反する返礼品によって寄付を集めようとすることは、自分のところだけが良ければ他の自治体への影響は関係がないという身勝手な考えだ」「社会的にも教育的にも悪影響が大きく、制度の根幹を揺るがし、存続を危ぶませる」と厳しく批判した。

 一方、泉佐野市はコメントを発表し、「無理やり地方を押さえつけようとしているように思われ、それこそが地方分権という理念の『趣旨』に反する」と反論した。しかし、安倍晋三政権が「返礼割合を3割以下の地場産品とし、守らない自治体を6月以降は制度対象から外す」という地方税制改正案を閣議決定したことについては、「あくまでも法を遵守(じゅんしゅ)するのが、自治体として当然の姿勢と考える」として、従う考えを示している。

世界最大の企業・アマゾンを利用する
スケールの大きな資金調達法に驚嘆

 私は、泉佐野市を全面的に支持している。ルール違反だと批判するよりも、その発想の柔軟さとスケールの大きさに「誰がこんな凄いことを考えたのか」と感嘆する。一方で、政府・総務省は旧態依然たる中央による地方支配の発想にとどまったものでしかない。

 泉佐野市のキャンペーンは、確かに「ふるさと納税」の趣旨を逸脱している。しかし、これを純粋に「寄付を集めるため」の1つ方法だと考えてみたらどうだろうか。