財政悪化要因となる人口減や高齢化が今後も避けられないわが国において、現時点ですでに財政状態が悪い自治体の将来は心もとない。自分が住んでいる自治体の財政状態を気に掛けていない読者も多いだろう。四つの財政関連指標を基に、現時点における各自治体の財政状態を診断した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

計算し直して気が付いた
交付税による借金支援割合の低下

 新潟県は9月に財政再建に向けた行財政改革行動計画案を発表した。財制悪化の大きな要因は公共事業のための地方債の元利償還金に対する、国から自治体へ配分される地方交付税による支援割合の引き下げだ。

 再建計画を作るに至ったきっかけは、自治体にとって預貯金に当たる基金の減るペースが速いので、財政担当の職員が交付税による支援割合を計算し直したことだという。お粗末な話だが、国の財政悪化のしわ寄せが地方財政にも及んでいることは事実である。

 財源が豊かではない自治体にとって、交付税は頼みの綱である。それが減額される影響は大きい。加えて、これからは働いて住民税を納めてくれる現役世代が減少する一方で、高齢化による社会保障費の増加が自治体の財政を圧迫する。

 現時点ですでに財政状態が悪ければ、先行きはますます不安だが、実際にそうした自治体は存在する。

 今回、財政のやりくりの苦しさを表す経常収支比率、もともとの財源の豊かさの指標である財政力指数、実質的な借金の元本や金利の返済負担を示す実質公債費比率、将来の債務負担の重さを測る将来負担比率(健全化判断比率のものとは定義が異なる)の四つの指標で全国の市町村財政を診断し、財政破綻度ランキングを作成した。