服について考えるのは、めんどくさい。アイテム選びがめんどくさいし、コーディネートもめんどくさい。そんな男性に向けて、新刊『服がめんどい――「いい服」「ダメな服」を1秒で決める』で最短で私服を決める方法を説いた大山旬氏。「これさえ持っておけば間違いない!」という小物選びの理論を伝授する。2月8日 (土) 17時~「二子玉川 蔦屋家電 BOOK」にて同書発売記念トークイベント開催!
トレンドを追う時代は終わった!
「シブヤイチマルキューラボ(SHIBUYA 109 lab.)」の調べによると、大学生の男女600人(男300人・女300人)を対象に調査したアンケート結果で、「好きなファッションブランド」が男女ともに「特になし」の回答が最も多かったという。
ファッション誌やテレビのおしゃれ特集で、「最近のトレンドは◯◯だ!」という表現をよく見かけるが、それはもう若者には届いていません。
ファッションの世界にはトレンド、つまり流行が存在します。みなさんは現在、何が流行しているのか知っていますか? おそらく、多くの人が把握していないと思います。
それもそのはずで、かつての流行はとてもわかりやすいものでした。
インターネットがないので、雑誌やテレビの影響が強く、街を歩けば同じアイテムを持っている人で溢れかえっていました。
ところが、今では価値観が多様化しました。
特に男性は、誰もが同じ方向を向いて、「流行」を追うようなことはしていません。結果、流行を理解しているのは、ファッション業界の人や、一部のファッション好きだけの「趣味の世界」になったのです。
流行というものは、実はゆるやかに変化をしています。
シンプル・タイトフィットのような王道的なファッションが流行る時代もあれば、複雑でインパクトのあるデザイン、ビッグシルエットといった、やや難解なファッションが流行る時代もあります。
それでは、私たち大人の男性はどのように流行と付き合えばいいのでしょうか。
素人でもカンタンに「流行」と向き合える!
「80点のおしゃれ」を目指す場合、実は、そこまで流行を意識する必要はありません。
シンプルでベーシックなアイテムを選べばいいのです。サイズ感もタイトすぎず、ゆったりすぎず、「ふつう」を目指せばまったく問題ありません。
流行の対極には、「定番」が存在します。
いつの時代も変わらないもの、それが定番です。
たとえば、上のイラストのように、丸首の白ニット、ブルージーンズ、ステンカラーコートというコーディネート。
これらのアイテムは、時代に大きく左右されない定番アイテムです。
そして、大人の男性には定番アイテムがよく似合います。ファッションで攻めすぎることなく、定番を中心にコーディネートを構成すれば、決してセンスが悪く見えることはありません。
というより、無理をしてトレンドアイテム満載の服装をしても、大人の男性にはあまり似合わないのです。
流行は、全身の中で1アイテム、20~30%に留めておくのが理想的です。あくまでベースは定番アイテム、アクセントとして流行アイテムを取り入れるべきです
ちなみに、つねにアンテナを張って流行をとらえることはなかなか難しいものです。
雑誌やネットで情報をキャッチアップし続けるわけにもいきません。
そこで意識したいのが、「定期的な服の入れ替え」です。
定番アイテムであっても、時代に合わせて少しずつ型がアップデートされています。
サイズ感が変わったり、素材の風合いが変わったりなど、小さな変化が必ず加わっています。
つまり、定番アイテムを定期的に買い換えることで、誰でも時代の雰囲気に合わせることができるのです。
昔のように、高級な一張羅を買って、10年以上着続けると、いつの間にか時代に取り残された古臭さを感じてしまうものです。
3〜4年ごとに手持ちのアイテムを見直す。これこそが、素人でも簡単に流行を取り入れるコツなのです。
ブランドで服を選ぶ時代は終わりました。ぜひ、新しい時代の服の選び方をマスターしてください。