米フォード・モーターのビル・フォード・ジュニア会長は、昨年春にドナルド・トランプ大統領に電話した際、長期化の様相を呈していた自動車の燃費規制をめぐる米国内の法的争いを沈静化させたいと望んでいた。トランプ政権は、米国の環境規制の大幅緩和を求めており、カリフォルニア州は、その動きを阻止するため訴訟を起こしていた。自動車業界は、両者の間で板挟み状態になった。フォード氏は、ミシガン州ディアボーンのオフィスから電話をかけた。通話内容を知る人々によると、同氏は大統領に対し、カリフォルニア州との間での妥協案をまとめるため仲介役を果たすよう求めた。トランプ大統領は困惑し、フォード氏に対して、同氏の考え方は他の業界幹部と軌を一にしていないようだと語った。通話内容を伝えられた関係者によれば、大統領はフォード氏に対し「自分で勝手にやってくれ」といった意味のことを言ったという。
米自動車業界、燃費基準の緩和巡り「泥沼化」
フォードは加州の燃費規制に対し、政府の合意への関心を読み違えた
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