確かに昨年11月15日、文部科学省が大学入試英語成績提供システム(以下「システム」)の20年度からの導入見送りを決め、高等教育局長から正式に通知もなされた。しかしながら、各大学がシステムという文部科学省のフォーマットを介することなく、英語民間試験を“独自に”活用する動きが見られることはあまり報道されていない。

 11月1日の萩生田文部科学相の記者会見の冒頭でも、「令和6(2024)年度に実施する試験から導入」「高校生にとって読む・聞く・話す・書くといった英語4技能をバランスよく身につけることが大切なことに変わりはない」旨があらためて言及されている。各大学側が、行政側の決して諦めていない本心を必要十分に斟酌(しんしゃく)することも、想像に難くない。

 その独自活用が、来年度の入試時点でも既に過半数に達していることが厄介だ(下表)。繰り返すが、文部科学省の中止決定後の数字である。

 表上に示された数や比率は、「英語民間試験を1つでも利用する」大学・短大にすぎないが、それでも既に大学では過半数に達している。昨年10月25日の廃止決定前の利用予定状況でも、国立大学で95.1%・私立大学で65.1%の利用予定が公表されていることから、今後、さらに利用する比率の上昇が見込まれる。