「助け合い」で売上25%アップ

「どのようなときに、何を協力し合うか」。リーダーはメンバーと話し合って、これを具体的に定めました。

 誰が担当のお客さまが来店しても、メンバーみんなで「いらっしゃいませ」と挨拶をする。売れっ子営業マンの商談が長引き、お客さまを待たせているようならば、手の空いている営業マンが「今、担当の者が別のお客さまの応対をしておりますので、私でよろしければ、できる範囲の部分でサポートいたします」と申し出る。

 お客さまの要望を聞いたり、契約までの流れを説明したりと「仮詰め」を進める。もし小さな子どもを連れているお客さまがいたら、子どもをキッズルームへと案内し、一緒に遊ぶ。

「どのようなときに、何を協力し合うか」を、細かな部分までメンバー全員で共有したのです。

 そして評価項目にも「チームへの貢献」を追加。それまでは1軒の家が売れれば「担当営業マンの評価」にしかならなかったものを、協力体制を敷いた後は「担当営業マンが10、サポートに入った営業マンは1」ほどの割合で報いる形にしました。加えて、チーム全体で目標を達成できたときは、「チーム評価」という形でチーム全員に報いる内容に変えました。

 あわせて優秀な営業マンには、業績で苦しんでいるメンバーの育成をサポートしてもらい、その点も「チーム貢献」として評価で報いるようにしました。

 店全体の協力体制が具体的に進むことで雰囲気もよくなり、年間売上は25%以上も伸びました。

 せっかく話し合いをして「助け合いが必要」という結論が出ても、「どのようなときに、何を協力し合うか」「その協力についてどのような報い方をするのか」までを話し合わなければ、協力体制はいつまでたっても築かれません。