「国王を含めた全国民66人の給料は全員1ドルになった。国王は給料の再分配案を提案して、最大いくらの給料を得られるか?」
これは知識や計算はいっさい不要で、「考える力」のみが問われる「論理的思考問題」のひとつ。論理的思考問題はGoogle、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、「スティーブ・ジョブズ超えの天才」と言われたあのピーター・ティールも自社の採用試験に取り入れた。これまでの正解が通用しない時代に必要な「思考力」を鍛える、「最高の知的トレーニング」でもある。
そんな論理的思考問題の傑作を世界中から収集し、解説した書籍が『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』だ。「論理的思考」「批判思考」「水平思考」「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく67の問題を紹介。「頭のいい人の思考回路」がわかり、読むだけで、一生モノの武器となる「地頭力」が鍛えられると話題。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「長期的な戦略を立てられる人」だけが解ける問題を紹介する。(構成/石井一穂)
最後には勝つ長期的な戦略を描けるか?
視点を「いま」から切り離し、多面的に考えられるようになると、長期的な戦略が描けるようになります。
たとえば次の問題、最後に笑う方法が見つかるでしょうか。
ある国で革命が起こり、国王を含めた全国民66人の給料は全員1ドルになった。
ただし国王は給料の再分配案を提案する権利を持っている。
その案は国民全員の投票にかけられ、反対よりも賛成が多ければ実行される。
各投票者は、自分の給料が増えるなら「賛成」を、減るなら「反対」を、変わらないなら「棄権」を選ぶ。
ただし、国王には投票権がない。
さて、国王が獲得できる給料は最大いくらだろうか?
なお、給料として使えるお金は66ドルしかない。
ヒント① 「給料が上がりも下がりもしない人は棄権する」が大きなポイント
ヒント② 給料が上がる人が下がる人より多ければ、その案は通る
ヒント③ 分配案の提案と投票は何度でもできる
イラスト:ハザマチヒロ
次のページで、正解と考え方をお伝えします。