世界保健機関(WHO)は先月末、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言すると同時に、新型コロナウイルス「COVID-19」の流行と戦う中国の「たぐいまれな」努力を称賛し、他の諸国に対して渡航制限を行わないように求めた。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は「中国はまさに感染拡大への対応で新たな基準を打ち出した」と語った。多くの政府は、WHOの渡航に関するアドバイスを無視した。他の公衆衛生専門家らは、テドロス氏の中国に対する手放しの称賛を批判した。米ジョージタウン大学の国際衛生法教授で、WHOのアドバイザーでもあるローレンス・ゴスティン氏は「テドロス氏とWHOが、科学の指し示すものと極めて強大な力を持つ国との間で非常に難しい立場に立たされていることは、私には極めて明白だ。それは世界の大半の人々にとっても同じに違いない」と述べている。