気づきすぎて疲れる「繊細さん」が幸せに生きるノウハウ繊細さんはたくさんのことに気づいてしまうので、そのぶん振り回されてしまいがち(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 職場で、人の出入りや、電話の音などが気になって集中が途切れてしまう。苦手に思う人にもつい近づいて気を遣ってしまう。いくつもリスクが思い浮かび、なかなか行動に移れず怒られる。このような性質を説明する概念が、HSP(Highly Sensitive Person)であり、5人に1人の割合で存在するという。程度の差があることも考えれば、ひょっとするとさらに多くの人が当てはまるかもしれない。

 本書『「繊細さん」の本 「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる』の著者はそうした人たちを「繊細さん」と呼び、悩まなくていいんですよとやさしく包み込む。考え込んでしまうのは、いろいろなことに気づける敏感さがあるから。ストレスになることと同じくらい、美しさやすばらしさを感じ取ることができる。その感性を大切にして、より幸せに生きるためのテクニックを教えてくれるのがこの本だ。著者自身も「繊細さん」なので、その言葉には深い実感が込められている。

 加えて、繊細と感じる人が周りにいてその人から避けられている気がする……というような「非・繊細さん」にも重要な観点がたくさんある。特に人間関係についての第3章は、自分は「繊細さん」だとは思っていない人でも使える技が満載なので、ぜひお読みいただきたい。自分も相手も守り、より幸せな時間を増やすためのヒントが、この本には散りばめられている。