ビジネスの現場で一番大切なこと、それは「ホウ・レン・ソウ」です。これは、「報告」「連絡」「相談」を省略化した用語で、仕事を円滑に進めるために大切な要因です。ビジネス・コミュニケーションの基本ともいえるこの報連相にも「気がきく」人になるためのポイントが隠されています。

その「報告」で本当に大丈夫?
上司が求めている「報告」のコツ

 「報告」とは、上司からの指示に対して、その経過や結果を知らせることです。
 つい、「こんな些細なことを報告していいのかな……」「こんな小さなことを報告したら、忙しい上司に迷惑じゃないかな」と気になってしまうかもしれません。しかし、あなたにとっては些細なことに思えることでも、上司にとっては知っておきたいプロセスの一つかもしれないのです。

 実は、上司はどんなときでもあなたの「報告」を待っています

 私が秘書として働いていたとき、上司から「能町さん、○○さんに、進捗状況をこっそり聞いてきてくれないかな」と頼まれたり、「あの件なんだけど、○○さん、ちゃんとやっているかな」と心配そうな顔をしながら、声をかけられることが何度もありました。正直、「直接聞いてくれればいいのに」と思うときもありましたが、上司としては、部下に仕事を任せている限りは、部下の思うように仕事をしてもらいたいという気持ちがあるので、直接聞くのをためらっているようでした。上司は部下の仕事の進捗状況を知りたいけれども、自ら聞くことで、部下のやる気が下がってしまったり、プレッシャーをかけてしまったら申し訳ない、とジレンマに陥っていたのです。

 このときに「報告」の大切さを知ってからは、上司に余計な心配をかけないよう、安心して私と仕事ができるよう、今まで以上に「報告」をすることを心がけました。