「繊細であること」はマイナスに捉えられることもある。それを、あえて「自分は繊細なんです」と言うことで、ポジティブな行動に転換しようと本書は説く。仕事上でストレスを抱えやすい人が多いからこそ、こうした考え方は、毎日を明るく生きるために必要な栄養になるだろう。(石田 翼)

本書の要点

(1)自分の繊細さは、いいものとしてとらえ、テクニックで活かすことで、幸せに生きることができる。
(2)繊細さんはたくさんのことに気づくために、そのぶん振り回されがちになる。だから、「私はこうしたい」ということを大切にして、自分の本音に耳を澄ませるようになっておくことが大事だ。
(3)刺激から受けるダメージを減らすためには、自分を変えなくては、我慢しなくてはと心を閉ざすのではなく、物理的にシャットアウトする、環境を変えるということが基本となる。
(4)繊細さん同士でも、そうでなくても、お互い言葉できちんと伝え合うことが大切である。

要約本文

◆「繊細さん」とは
◇幸せに生きるために

 アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した「HSP(Highly Sensitive Person)」という概念がある。敏感でストレスを感じやすいHSPを、著者は親しみを込めて「繊細さん」と呼ぶ。

 繊細さを、克服すべき課題ではなくいいものとしてとらえ、その生まれ持った能力をテクニックで活かして幸せに生きることはできる。本書ではそのノウハウを紹介する。

◇どういう人?

 繊細さんは、まわりの人が気づいていない小さな変化を感じとっている。しかしそれは特殊なことではなく、生まれつき繊細な人は5人に1人の割合で存在するという。外部からかかるストレスに敏感に反応できる存在は、実は人間以外の高等生物にも見られる。繊細であることは、周囲の危険をいち早く察知し、種を生きながらえらせる一つの「手段」とも言えるのだ。つまり、繊細さんが小さなことに気づくのは、自然なことなのである。