現時点までの米民主党大統領選予備選で最多得票を集めたバーニー・サンダース氏は、民主党員のレッテルを貼られることをしばしば拒否してきた。再選を目指している共和党のドナルド・トランプ大統領は、大統領就任以前の20年間の約半分しか共和党に籍を置いていなかった。民主社会主義者を自認するサンダース氏とトランプ大統領はともに、自身の個人的特色を強く打ち出すことで政界での影響力を拡大した。両氏は、後に自ら率いようとする党と間で極めて希薄な関係を保ち、党指導者らを頻繁に批判してきた。両氏の台頭は、米国の各政党がそれぞれの大統領候補を選ぶ際の影響力の喪失を示す、新たな兆候と言える。一部の党運営担当者は、近年のメディア環境や、億万長者が選挙キャンペーン資金を自ら捻出する時代に、こうした展開を避けるのは不可能だと考えている。自己資金でキャンペーンを行う手法は、トランプ氏が先駆けとなり、現在マイケル・ブルームバーグ氏が実践している。しかし党関係者らは、こうした流れが、政治の不安定さと党派色を強めていると指摘する。