米経済の堅調さを考えると、新型コロナウイルスをめぐる株式市場の動揺は行き過ぎかもしれない。だから「唯一恐れるべきは、恐怖心そのものだ」と言いたくもなる。だがいま心配なのはその逆で、恐怖心がほとんどないことだ。18日公表された2月の世界ファンドマネジャー調査(2月6日から11日にバンクオブアメリカ・メリルリンチが実施)によると、投資ポートフォリオに占める現金の比率はわずか4%と、2013年3月以来の低水準にある。「使わずに取っておく」現金が少ないのは、投資家の自信の表れであることが多い。米中両国が1月に予備的な貿易合意に達したのを機に、前向きなムードが一気に広がった。この1年余り、貿易交渉の行方にやきもきしたファンドマネジャーが、今度は米大統領選に焦点を移したことが調査結果からわかる。歴史的にみて選挙イヤーは株式相場が好調だった。