米民主党のナンシー・ペロシ下院議長とチャック・シューマー上院院内総務は27日、連邦政府の新型コロナウイルス対策に関する共同声明の冒頭でこう述べた。「人命がかかっている。中傷合戦や党利党略に時間を費やしている場合ではない」。よく言われるように、本当なら興味深い、といったところだ。これまでの証拠から見る限り、新型ウイルス対策に関する超党派の協力は望み薄だ。それどころか、気がめいる展開になっている。ペロシ氏とシューマー氏が中傷合戦停止を呼び掛ける前の48時間以内に、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は、ドナルド・トランプ大統領から政府のウイルス対策の責任者に指名されたマイク・ペンス副大統領を、科学を否定する人物だと嘲笑した。エリザベス・ウォーレン上院議員は「コロナウイルス流行への(政権の)不手際な対応は、めちゃくちゃだ」とツイートした。周りと異なり成熟した人間だと自らを評するマイケル・ブルームバーグ氏も同調し、リーダーシップとは「事実を共有し、統制を示し、専門家を信頼することだ。残念ながらトランプ氏の得意分野ではない」と語った。
【社説】米国の新型コロナ対策、党派色は不要
危機が終息するまで議会を隔離すべきかもしれない
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