今時の東大生のメジャーな就職先とは? 昨今の女子大人気は? 大学受験を迎える高校生世代と、その親にあたる40-50代世代では、大学のカラーやイメージも大きく変わってきている。大学選びのとき、そのあたりのジェネレーションギャップは是非とも押せておきたいところ。『大学図鑑!2021』より、その今昔の差である6つのポイントを前回に続いて簡潔にレクチャーしよう!
4.デキる東大生は、法→官僚という昔のエリートコースを選ばない
日本社会のエリートコースといえば、東大の法学部を出て、財務省を筆頭とする中央省庁で高級官僚として出世していくのが典型例だった。が、仕事が非常にハードなわりには見返りが少ないということで官僚人気が落ち、それと共に司法試験に受かっても苦労する弁護士が多いことから法学部人気も落ちた。東大に集まる頭脳明晰な若者のうち優秀でチャレンジ精神もある層は、外資系の投資銀行やコンサルタント会社、IT企業などを選ぶ。あるいは、成績優秀な高校生が、適性があるとは思えない人まで医学部を志願し医師になる、という別の流れもある。中央省庁に様々な大学卒業者が集まることは多様性の観点から喜ばしいが、医学部バブルは些か問題だ。
5.いずこもグローバル化を推進! 上智や東京外大が徐々に埋没
いまの大学生の親世代が大学生だった80年代から90年代にかけて、「国際的」であることは時代の先端をいっていた。そのイメージの強い上智大学の法学部国際関係法学科や外国語学部英語学科、青学の国際政治経済学部などは、早慶の看板学部を上回るほど難関だった。国立の東京外大も最難関大学であった。それが今日、いずこの大学にも「国際系」の学部が設置され、グローバル化に力を入れてきたことにより、相対的に上智や東京外大の存在価値が落ちてきている。国際的な大学として小粒ながら根強い人気のあったICUも、同じような少人数制のリベラルアーツが他大でも学べることや、学費が少し高いことなどから若干、存在感は下降気味といえそうだ。
6.あの津田塾ですらGMARCH以下!?女子大は長期低迷へ
親世代が若かった当時は、まだ女子が四年制大学に進学すること自体に、抵抗感を覚える親が少なくなかった。そのかわりに女子大や有力短大が人気で、言ってみれば、より恵まれた環境で花嫁修業をするため進学や就職をする、という層が一般的であった。今日、そのような考えを我が子に向ける親はほとんどいないだろう。まだ課題はあるとはいえ、女性の社会進出の土壌は比較にならないくらい整った。だが、そうした時代の変遷の中で、存在意義が見出せなくなったのが女子大と短大。短大は閉校が相次ぎ、女子大も軒並み入試偏差値が落ち、かつての人気を失っている。それでも受験生の集まる女子大は、独自の校風をしっかり意識した中身のある大学だといえる。