今時のバンカラ大学はどこ? 関西の国立人気はいまも健在? 大学受験を迎える高校生世代と、その親にあたる40-50代世代では、大学のカラーやイメージも大きく変わってきている。大学選びのとき、そのあたりのジェネレーションギャップは是非とも押せておきたいところ。『大学図鑑!2021』より、その今昔の差である6つのポイントを2回に分けて簡潔にレクチャーしよう!
1.明治や法政までおしゃれ化し、「バンカラ」大学は消滅した
関東の私大でいえば、昔は、早稲田~明治~法政というラインがあった。慶應や立教や青学のような華やかさとは縁遠くて、男くさい、硬派が集うバンカラ系の校風の大学群である。これが今やもう、絶滅したといっていい。
なにしろ女子の受験生が明治や法政を「オシャレだから」という理由で選ぶこともある時代なのだ(親世代には、到底信じられないだろう)。実際にキャンパスを歩いてみると、どこの校舎もきれいだし、そこを往来する学生たちも小ざっぱりしている。硬派系の大学に乱立していた立て看板も、ほぼ絶滅した。あの独特の風景を見られるのは、全国でも京大くらいしかない。「バンカラ」は完全に死語化し、その言葉自体を知らない学生も多いくらいだ。
2.偏差値、人気、就職のいずれも早慶ではだいぶ前から慶應が格上
日本の私大の両横綱として、昔も今も、おじさん向け週刊誌などが好んでする早慶比較。「バンカラ」でなくなったのは早稲田もそうだが、早大生は多様性と自主性を重んじるのに対し、慶大生は効率とブランドを重視するといった違いは今でも存在している。ただ、親世代の当時は、キャラの異なる両大学が互角の勝負をしていた。ところが、もう10年以上前から、両方の大学の同系統の学部に受かった受験生で、慶應を選ぶケースが当たり前のように多くなった。もともと慶應が強かった就職面でも、さらにその差の開いた感がある。そんな早稲田も2004年設立の国際教養学部が牽引するような形でグローバル化を進め、新しい強みを見出そうとしている。
3.国公立がいまだ強くも、立命や近畿がイメチェンした関西状況
関西の大学は、とにかく国公立の人気が高い。京大、阪大、神戸大といった全国的にブランド力のある大学だけでなく、大阪市立大や大阪府立大も強いし、各府県の教育大の存在感も侮れない。この点は昔も今も同じだ。変化したのは私大だろう。
特に、関関同立では立命館。親世代の頃の立命館は庶民的だったが、1999年に全国初のキャリアセンターを設立、学部再編も盛んに行い、「最先端を走っている大学」に大転換した。産近甲龍で変わったのは近畿大学だ。近大マグロで全国的な知名度を高め、卒業生であるつんく♂が演出する派手な入学式で新入生を迎え入れるなど、話題に事欠かない。立命館も近大も、学生の元気の良さがアップした印象である。
★次回、4~6のポイントを紹介します!