仕事に「4つのP」が大切

 現場の先生方に申し上げたいのは、どんなことをやるにも、4つのPが必要だということです。

 まず、Purpose、目的です。

 どんな仕事にも目的がある。
 学校をもっとよくしたい、先生方の絆を強くしたいなどです。

 2つ目のPは、Passion、やる気です。

 やる気がなかったら何もできない。

 3つ目のPは、Peer、仲間
 人間、一人では何もできなくて、くじけてしまうでしょう。
 でも、志を同じくする仲間の先生がいたらがんばれるじゃないですか。

 だから、Purposeがクリアで、Passionがあって、Peer、いい仲間がいたら何でもできそうですが、もう一つ大事なPがあるのです。

 その4つ目のPが、Play、遊びなのです。

 つまり、人間は何事でも一所懸命やっていることはそれはそれで尊いのですが、必ず煮詰まって苦しくなる

 だから、遊び心、冗談、たまにはふざける、そんな気持ちをチームのメンバーが持っていると、実は長続きするので不思議です。

 だから、現場の先生方は大変だと思いますが、この4つ目のPを覚えておいてほしい。
 そして、もう一つ、人生の楽しみとは何かといえば、喜怒哀楽の総量という考え方がある。

 多分、皆さんは第一線で働いているので、ものすごくしんどいじゃないですか。
 そうしたら、それは「マイナス100」と考える。
 もし、新しい先生が定員以上に配置されてラクになったら、よかったなと。それを「プラス100」と考える。

 みなさんは、「マイナス100」と「プラス100」でチャラではないかと考えがちです。

 でも、違うのです。

 正解は「総量の200」になる。絶対値にこそ意味があるのです。
 しんどいことも苦しいことも、ある程度時間がたつと、それは必ず人生の養分になっていく。
 だから、人生は喜怒哀楽の総量で絶対値が大事なのです。

「プラス100」と「マイナス100」がゼロになってチャラになるのではなく、「総量200」になるのです。

 何よりも、一番大切なのは健康ですから、無理して体を壊したら身も蓋もありませんから、健康には留意してください。
 留意するのは簡単で、たっぷり寝て、たっぷり食べたら、そんなに壊れないので、「遊び心」を忘れずにやってみてください。

質問者 ありがとうございました!
 
出口 こちらこそありがとうございました。
 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。