韓国では小型無人機(ドローン)が消毒剤を散布し、中国では警察官が人の発熱を検知するため赤外線ゴーグルを着用している。オーストラリアでは、チャットボットがコロナウイルスについての質問を受け付けている。ハイテク業界は以前から、何でもつなぐコネクティビティや最新機器、ビッグデータがいかに人々の生活を向上させるかをアピールしてきた。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、そうした大胆な約束の真価が問われている。感染が最初に広がったアジア太平洋地域では、保健当局が既存のテクノロジーを活用してウイルス対策を試みてきた。感染が疑われる人の移動経路をスマートフォンの追跡情報で解明したり、個人の健康状態を監視する政府運営のアプリを開発したり、あるいは通りを行く人々の体温を熱感知ゴーグルで監視している。