新型コロナウイルスの感染拡大に伴い
世界経済全体で景気後退の懸念
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界経済全体で景気後退への懸念が高まり始めた。特に、ここへきて原油価格が下落したことは軽視できないリスクだ。
今後、原油価格が30ドル台を下回るレベルまで下落すると、米国のシェールガス業界などの経営に大きな影響が出ると懸念される。これまで、米シェールガス企業が信用力の低いジャンク債を発行し、その資金を元手に石油生産をしてきた。そうしたジャンク債を購入してきたのが、世界の大手投資家だった。
問題は、原油価格の下落を契機に米国の経済に下押し圧力がかかる場合、米国経済の安定に支えられてきた世界経済全体で需要が冷え込むのが避けられないことだ。それが現実のものになると、輸出に依存してきた韓国などの景況感は大きく悪化する。中国の需要に依存してきたユーロ圏各国や日本などでもデフレ、あるいはその深刻化が懸念される。
それに加えて、韓国では、文在寅(ムン・ジェイン)大統領への国民の不信感も増しているという。文政権は対中国の政策を優先したこともあり、新型肺炎の感染拡大を防げず、批判が高まっている。4月に総選挙を控え、文大統領はどうにかして有権者の支持をつなぎとめようと必死だが、いまのところ妙案は見当たらないようだ。