世界の株式市場はここ2~3週間で歴史的な急落を演じている。だが問題はそれだけではない。世界の株価は、今や忘れられかけている2018年12月の急落時の底値を探る水準に下げたにすぎない。投資家にとって、これは期待が持てると同時に憂慮すべき点ともなり得る。暗い側面としては、投資家が目前の危機に圧倒され、長期的な影響に十分注意を払っていない可能性がある。1株利益成長予想は向こう1年より今後3~5年に一段と鈍化するうえ、予想には限界があり、不透明感が一段と強まっている。多くの活発な投資家にとり、5年というのは恐らく株式の保有期間より長い。ただ、こうした予想はたとえアナリストが株価目標を正当化するための見積もりにすぎないとしても、基本的な見通しの手掛かりとなり得る。入手可能な直近データである12日時点で、長期の1株利益の伸びはS&P500種指数で約10%と予想されている。これは2009年終盤や16年半ばの水準と一致する。
コロナ後の株式市場、カギは長期動向と国際協調
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