まるでズワイガニ!
最高級カニカマ「香り箱」

 プロジェクトの方針を大きく変えて、同年に世界初のカニ風味かまぼこ「かにあし」を発売。発売直後から大きな話題となり、競合他社もカニカマ事業に参入するなど、食品業界にも影響を与える存在になったという。人工クラゲの失敗を成功につなげられた理由は「スギヨの社風にある」と、林氏は話す。

「当社の社風は、業界に先駆けて商品を開発し『世の中を驚かせて、お客様を喜ばせよう』というもの。世の中にない新しいものを作りたい、という思いがあります。当時もまた『人工クラゲ』という目的にこだわらずに、さまざまな可能性を模索できたのでは、と考えています。また、現行の商品を改良したり、新たな切り口で提案したりと、メーカー視点だけでなくお客様視点の発想を重視する開発型企業なので、多様なアイデアを取り入れていく傾向があります」(同)

人工クラゲ開発がカニカマに化けた!失敗から生まれたヒット商品列伝同社を代表する最高級カニカマ「香り箱」。スギヨの合言葉通り「本物よりおいしいかも」と、ネットで話題になっている

「開発型企業」の言葉通り、同社のカニカマもさまざまな進化を遂げている。なかでも、注目を集めているのが最高級カニカマ「香り箱」だ。

「『香り箱』は“本物のカニよりもおいしいカニカマ”を合言葉に開発しました。形状や味、色合いなど本物のズワイガニの脚肉と見まごうほどの完成度が話題になり、多くのメディアでも紹介されています。練り物コーナーではなく、鮮魚コーナーに陳列されているのも『香り箱』の特徴です。スギヨとともに、水産練り物業界全体の売り上げの成長にもつながっていますね」(同)

 スギヨのカニカマは、海外進出もスタート。失敗を乗り越えたスギヨの開拓魂は、市場の拡大にも大きな影響を与えているようだ。