リスクをとってチャレンジする
人間には実にいい時代になった

 

 生活者は多くの情報にさらされる中で、どんどん賢くなっている。圧倒的に強大な敵に立ち向かう姿勢や、絶望的な状況をなんとかして覆そうとする意志を見分けることができるようになっている。だからこそ、勇気ある行動や発言が生活者の共感を生み、大きなうねりのきっかけになる。そんな状況によって生まれ始めている。

 これが時代の共感を味方にして大逆転を起こす「ジャイアントキリング戦略」。

 たとえば、ジャニーズ事務所を辞めてネットテレビに登場するとか。

 たとえば、携帯電話からボタンをなくしてしまおうとか。

 たとえば、世界的な高級ブランドがストリートブランドとコラボしてしまうとか。

 いずれも結果だけ見れば、大ヒット。たいへん優れたアイデアだが、始まりは誰かたった一人の勇気ある提案だったはず。きっと反対意見も死ぬほど多かったことだろうよ。

 ブランドや企業、もっと言えば現場の一人ひとりが勇気を持ってチャレンジしていることを、SNSやメディアを通じて発信し、ファンやユーザーが察知する。そして支持を表明する。共感がファンの輪を超えて、世間に広がっていく。チャレンジすること自体が、結果、大きなビジネスの成果につながっていく。

 リスクを取ってチャレンジする人間にとっては、実にいい時代になった。勇気のあるやつが、ちゃんと報われるんだ。

 明日、ネットでバズりまくって、誰もが巻き込まれる社会のうねりが起きるとする。その始まりは、あなたがドキドキしながら発信した、たった一言のつぶやきかもしれない。そんな時代がもうやってきている。

 仕事に、いや、人生に一番必要なアイテムは、勇気だ。そんなことを、ぼくもまた勇気 を持って断言しようと思う。