コロナウイルスは配車ビジネスにいかに打撃を与えているか。それを示しているのが、パンデミック(世界的大流行)によって、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの料理宅配ビジネスが魅力的に見えていることだ。ウーバーと競合の米リフトの株価はここ1カ月で急落している。新型コロナウイルス感染の急拡大で各国政府が国民に外出を控えるよう促したり、場合によっては強制したりしている。16日には米サンフランシスコ・ベイエリア地区で住民に原則として外出を禁じる命令が出され、同地区を本拠とする両社の事業は急減している。リフトの時価総額は年初来で約3分の2が失われ、ウーバーの株価は半値に下がっている。ウーバーの方が料理宅配部門のウーバーイーツがあるため、ダメージは少ない。ウーバーイーツは今、中核の配車部門を補う重要な事業に見える。政府の外出禁止命令は、外食店が料理の持ち帰りや配達に限って営業を続けることは許可している。そのため少なくとも感染拡大が続く間は、料理宅配の注文が増える可能性が高い。調査会社エジソン・トレンズの推計データによると、ウーバーイーツの米料理宅配市場シェアは非上場の米ドアダッシュに次ぐ2位となっている。ウーバーイーツは18日、メキシコ料理チェーンの米チポトレ・メキシカン・グリルと新たに提携したことも発表した。