新型コロナウイルスの治療薬候補して、医療関係者の間で抗マラリア薬への注目が高まっている。新型ウイルスに対する有効な治療薬の開発が急務となっている中、既存薬を転用して効果を見極める試みが進められている。韓国、フランス、中国の医師・研究者らによる報告では、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の一部患者について、抗マラリア薬のリン酸クロロキンとヒドロキシクロロキンの双方で、症状の改善を示す初期の兆候が見られた。米国では、クロロキンは1940年代に、ヒドロキシクロロキンは1950年代にそれぞれ承認されており、ループス(狼瘡=ろうそう)やリウマチ性関節炎の治療薬でもある。クロロキンの方がやや毒性が強いとされるが、いずれも大半の人々にとって比較的安全な薬と考えられている。