イラン情勢悪化の原油高とルピー安で揺れるインド市場、「トリプル安」が映す成長期待の死角Photo:PIXTA

中東情勢の悪化を背景に原油価格が高騰し、インド市場ではルピー安、株安、債券安の「トリプル安」が進んでいる。海外からのエネルギー調達に大きく依存するインドでは、対外収支の悪化やインフレ再加速への警戒が強まりやすい。景気自体は底堅さを保っているものの、市場は高過ぎた成長期待の修正を迫られている。(第一生命経済研究所 主席エコノミスト 西濱 徹)

原油高ショックが直撃
インド市場で進む「トリプル安」

 このところの金融市場においては、インドに対する見方が急速に悪化している。中東情勢の悪化をきっかけに、金融市場のリスク選好が弱まり、「有事のドル買い」によって通貨ルピー相場は最安値を更新する動きをみせた。

 主要株式指数(ムンバイSENSEX)も大幅に調整しているほか、長期金利(10年債利回り)も高止まりする(債券は売られる)など、いわゆる「トリプル安」に直面している。

 次ページでは、トリプル安の背景にあるインド経済の脆弱(ぜいじゃく)性を検証するとともに、景気の現状を分析する。