イラン情勢を受けて高騰したガソリン価格 Photo:EPA=JIJI
好業績支えた原油価格、下落から急騰
回復見込まれる2026年日本経済に暗雲
イラン情勢不安定化やホルムズ海峡閉鎖による原油価格の高騰は、企業収益の好調やそれに伴う設備投資拡大、株価の活況に支えられてきた日本経済を逆回転させかねない状況だ。
2月末に過去最高値を更新したばかりの日経平均株価は、米国、イスラエルのイランへの攻撃をきっかけに、わずか数日で1割以上急落するなど大混乱に陥った。原油価格(WTI先物)は、一時1バレル120ドルに迫り、その後もイラン情勢の動向で乱高下を18日にはニューヨーク市場で一時、100ドル台まで再び上昇した。
円相場は対ドルで159円台まで下落、エネルギー高と円安の同時進行という日本経済にとって極めて厳しい逆風が吹いている。
企業部門では、これまで好業績を支えてきた原油価格下落による交易条件の改善が、原油や輸入物価の上昇による交易条件の悪化によって、時間差を伴って企業業績を下押しするリスクがある。家計部門では、ようやく安定しつつあった物価が再び上昇に転じ、消費者の節約志向を再度高めることが懸念される。
政府は、石油備蓄の放出や電気ガス代補助の延長などの方針を決めたが、封鎖の長期化などで、原油価格が1バレル100ドルで推移する状況では、消費者物価は1%程度、押し上げられ、実質GDPは0.2%~0.3%押し下げられる。
トランプ関税のマイナスの影響が予想より小さかったことで、緩やかな回復基調が続くとみられていた2026年の国内経済だが、今後のイラン情勢および原油価格の動向次第では一気に悪化に転じる恐れも出てきた。







