新型コロナウイルスの対応策に関する
韓国とイタリアの「共通点」

 韓国とイタリアで新型コロナウイルスの感染が大きく拡大した背景には、いくつかの共通点がある。まず、両国とも親中政策をとってきた。

 韓国にとって中国は最大の輸出先だ。また、南北統一を夢見る文大統領は、中国との関係を通して北朝鮮との融和を進めたい。その考えが強くなるあまり、中国からの入国制限など、文政権の感染対策が遅れたとの批判は多い。

 また、韓国は過去の感染症の教訓も生かせていない。2012年、中東呼吸器症候群(MERS)が発生した際、韓国政府は国民への情報開示が遅れ、感染者とそうでない人の隔離を徹底できなかった。新型コロナウイルスに関しても、大邱市にある新興宗教の教会がクラスター感染の震源地となり、さらにはソウル近郊の教会でも集団感染が発生するなど、文政権の対応には不安が残る。

 一方、イタリアは、韓国同様に中国の需要を取り込んで景気を支えてきた。世界の主要都市における外国人訪問者数を見ると、欧州大陸ではパリに次いでローマが人気だ。また、昨年3月、イタリアはG7ではじめて中国が進める“一帯一路”計画に参加した。さらに2020年を両国は文化・観光を振興する年に定め、直行便増発やビザ承認が加速化した。国境を越えた経済活動の拡大が、感染を増加させたことは軽視できない。

 加えて、イタリアで新型コロナウイルスと思しき症例が確認された際、患者の隔離を行わなかったとの報道がある。また、入国制限をはじめとする感染対策も遅れた。さらに、イタリアでは挨拶の際にハグをする。それも感染拡大を勢いづかせただろう。

 このように韓国とイタリアで新型コロナウイルスの感染が拡大した背景には、政治・経済面での中国との関係の強化、および初動動作の遅れから感染者の隔離を徹底できなかった等の共通点が浮かび上がる。

 両国とも、景気の安定のために中国との関係は手放せない。それだけに、感染の封じ込めにはかなりの時間がかかるとの見方は少なくない。