これまでの状況に鑑みれば、イタリアや韓国の感染者数が7000人を超えた3月9日に、ドイツは1112人で死者数は0である。ドイツで感染者数が7000人を超えたのは3月18日であり、その後3月22日には上述したように感染者数1万8323人だが、死亡者数が45人にとどまっている。

 ということから考えると、感染者数がイタリア同様に多いドイツであっても、現在医療崩壊を起こさずに死亡者数が少ないのは、病床数が行き届き、医師数が充足しているからだと考えられる。

 もちろん現場の医師が過重労働になったり、イタリアでは医師会長が新型コロナウイルに感染して死亡し「殉職」ともいえるような亡くなられ方をしたという話も聞いている。医師の「充足」とはあくまで数の問題のことだけであり、冷たく聞こえる点はご容赦いただきたい。

 さらに、3月18日以降感染者数が激増していることを考えれば、病床数が少ないことを考えれば、確かにドイツでも今後が不安ではある。

日本での死亡者は
イタリア並みに増えるのか

 さて、ここで日本の将来を考えよう。

 実は筆者は「日本では医療崩壊は起きない」と考えている。医療崩壊を起こさないという理由は医師数や病床数、特に病床数に余裕があるということである。

 日本はドイツよりも、病床数は圧倒的に多く、韓国と同程度である。少ないのは医師の数であるが、これも韓国とほぼ同じである。また病床の空床率は韓国より高いので、余力もある。対GDP比の医療費のかけ方も韓国は8.1%なのに対し、日本は10.9%である。

 また、新型コロナウイルスの診断に重要な役割を果たすCTの台数は人口当たり世界一である。

 もちろん、慢性期の病床であれば“急性期へ転用”ということも考えねばならないが、諸外国で「ホテルを病床で使おう」という話まで出ていることに比べれば、日本の優位はゆるぎない。

 ただし、感染者数が爆発的に増え、韓国のピークをはるかに超え、現在のドイツのように2万人近くになった時に医療崩壊が起きないという保証はない。

 東京都知事が「首都のロックダウンもあり得る」と発言したように、決して「油断はできない」という事態であることは、強調しておきたい。

 その意味では、「またか」といわれるかもしれないが、手洗いの励行に加え、「密閉・密集・密室」における他人との濃厚接触を避けるという努力は今後も続ける必要がある。

 医療者と患者で一致団結し、この難局を何とか乗り切りたいものである。